「結婚式の見積りは上がるらしい」と聞いたことありませんか?
私がプランナーをしていたときも、余程の理由(“ゲストの人数が大幅に減った”など)がない限り多くのお客様は見積りは上がっていました。
結婚式の準備をすすめる中で、どんどん上がる見積りに頭を抱えてしまうカップルも少なくないはずです。
でもいざ自分たちで見積りを見直そうとしても、代案はなかなか見つからないもの……。
そこで今回は元プランナーの筆者が、今からでも間に合う結婚式の見積り見直しポイントをご紹介します。
見積りの見直しポイントは、結婚式の節約術でもあります。これから結婚式の準備をはじめるという方も是非参考にしてみてください!
見積りが上がることで驚いてしまう原因は2つ
プランナーから「今の見積りはこちらです」と提示された見積りの合計金額に目を丸くしてしまった人も多いのではないでしょうか?
気付かない間に、結婚式の費用が前回の見積りから数十万円アップ!なんてコトは、結婚式の打ち合わせでは日常茶飯事です。
結婚式の見積りの金額に驚いてしまう原因は2つあります。
見積りを確認する頻度が少ない
提示された見積りの金額に驚いてしまう理由の1つは「気付かない間」に上がっているという点。見積りの確認頻度が少ないのが原因です。
結婚式契約後の見積り提示頻度は、式場によって違います。私が勤めていたいくつかの式場は…。
1.打ち合わせのたびに見積りを提示する
2.複数回行われる打ち合わせの中盤に1~2回。そして最終見積り。
などのパターンがありました。
ご存知ですか?全ての式場が打ち合わせの度に、必ず見積りを作成してくれる訳ではないんです。私自身、いくつか式場で働きましたが、殆どの式場は2のパターンでした。
見積りが“上がりにくい”のは、1の「打ち合わせの都度見積りを作成する」です。
細かく見積りを確認していると、結婚式費用の推移を常に把握することが出来ます。そのため予算オーバーにも気付きやすく、速やかに見積りの修正を思い立つことができるから。
これは結婚式の費用を上がりにくくするコツでもあるのです。
一方、見積り提示回数が少ない2の場合には、結婚式の見積りは“上がりやすい”傾向に。「気付いたらこんなに上がってたけど、もう買うって決めてるしな」と、購入を決めてから時間が経ってしまうと、キャンセルしにくくもなります。
そのイメージで準備をすすめるので「あのドレスに合わせてブーケも決めたし……」「アノ演出はやっぱり外せないかな……」といった気持ちになってしまうようです。
見積りの確認は、結婚式費用への冷静な気持ちを保つ大切なきっかけ。
既に打ち合わせを進めている方も、これから結婚式の準備をはじめる方も、結婚式の見積りは打ち合わせの度に提示してもらうようにしてくださいね。万が一、都度の見積り作成が難しい場合には、自身でしっかり管理をしておくことをおすすめします。
その方が後になって「こんなにお金が必要だなんて!」と目を丸くさせてしまわなくて済みます!
必要・不要の判断力が麻痺してしまってる
結婚式の打ち合わせの中でカタログを見ていたり、サンプルの動画などを見ていると結婚式の夢は広がるばかり。そこに使われているもの全てに費用が必要だなんて現実は、二の次になってしまいます。
必要か不要かという判断より、ただ「こんな結婚式がしたい!」そう夢見て思わず購入の連続…。
これがウェディングマジックとでもいいましょうか。“一生に一回だから後悔はしたくない”そんな思いから金銭感覚を麻痺させてしまいます。そして気付かない間に結婚式の見積りをドッと上げてしまうことに。
理想の結婚式を夢見つつも、金銭感覚を麻痺させないためには3つのポイントを心が掛けます。
1.結婚式のMAX予算は予め決めておく(限界を決めておいて、予算オーバーになったら見積りを見直します)
2.結婚式で使うアイテムの中で、重視したい順位を決める(見直すときには、順位の低いものから見直すためです)
3.打ち合わせ中も現実的な「予算」のことを忘れない
この3つは、見積りを上げないポイントでもあります。心に留め置きましょう!
契約後に見積りを見直すにはプランナーを味方につける
結婚式を申し込んだ後の値引きはほぼ有り得ません。なぜなら“その金額に納得の上で申し込んでいる”と判断されているからです。
だから申込み後に見積りを見直すときにはプランナーを味方に付け、より良い節約術を一緒に考えてもらうと思いもよらないアイデアや、手助けをしてもらえることも!
無理な値引き交渉はクレーマー扱いになりかねない
「予算オーバーしたから、値引きしてよ」「こんなにお金払うんだから、ちょっとぐらい割引してくれてもいいんじゃない?」と単刀直入に値引き交渉をされたことが何度かあります。10年間プランナーをしていましたが、その中で「値引いて欲しいから」と頼まれて値引きしたことは一度もありませんでした。
そして強引で理不尽な値引き交渉は、プランナー側からすると表向きは笑顔であっても、内心は穏やかではありません。あまりにも理不尽な値引き交渉の場合は、クレーマー扱いとなり結婚式本番も含め要注意カップルとなります。
結婚式はふたりだけで作り上げるのではなく、プランナーはじめスタッフの支えも重要です。だからプランナーや司会者、カメラマンなどとの人間関係を築くことは、理想の結婚式を作り上げる上で必要不可欠。
少しでも費用を抑えたいからと、やみくもに自分の都合ばかりを押し付ける値引き交渉は避けましょう。自分たちの姿勢も見せつつ、プランナーに協力を求める方が懸命です。
まずは自分たちで出来ることを探す
結婚式の見積りを見直すときには、まず自分たちで「頼んでる商品のランクを下げる・諦める」「手作り出来るものは手作りする」など努力をしてみてください。
見積りを見直す際に注意しておくべき点が2つあります。
1.ゲストに直接関係の無いものから削る
結婚式の見積りを見直すときには、ゲストに直接関係の無いものから削ります。特に見直しを一番最後に回すべきアイテムは……
・ゲストが結婚式に招待されて一番楽しみにしているであろう「料理」
・両家からの贈答品という意味もあり、無理にランクダウンなどをしてしまうと両親の顔に泥を塗る結果になってしまう「引出物」
この2点についてはゲストに直接関わるアイテム。見積りの見直し方次第では「ケチった」なんて印象を与えてしまうのです。また料理や引出物は、ゲストをもてなす上でご両親も気にされています。もし見直したいと思ったときには、自分たちで判断せずにご両親への相談も必須です!
2.金額が高いものから削るのではなく、こだわりのないものから削る
見積りを眺めていると、やはり金額の大きいものから見直したくなりますが、そこはちょっと待って!
見直すアイテムを間違ってしまうと、結婚式が終わった後「やっぱりアレは削るべきではなかった……」という後悔にも繋がってしまうからです。
見直すときには、金額ではなく小額であってもこだわりのないアイテムから選んでいきます。小額とはいえ節約の積み重ねは、数十万円の効果になることもありますからね。
まずは見積りの項目欄の横に、こだわりたい順位を付けてみてください。そして順位の低いものから見直していきます。
「協力してあげたい」とプランナーの気持ちが動くとき
新郎新婦のおふたりが一生懸命見積りを見直し注文予定だったものを変更したり手作りの努力をなさっていると、やっぱりプランナーも「どうにか協力してあげたい」と気持ちが動きます。
式場の規定上、値引きという協力は出来ないかもしれません。ですが、プランナーの出来る範囲での協力は惜しまない姿勢に変わるはず。
・お花のボリュームをダウンし予算を抑えたので、テーブルコーディネートが当初の予定よりも寂しい印象に……。そのためお客様に造花の花びらを持ち込みしてもらい(持ち込み料はサービス)、プランナーの手でテーブルに散らす。(お花のスタッフにお願いしてしまうと手数料が掛かってしまうため)
・欲しかったペーパーアイテムにすると予算オーバーに。似たデザインを手作りし、リボン掛けなど手間の掛かる作業はプランナーも手伝う。
いずれも実際に協力させていただいたエピソードです。本来であれば手数料が掛かってしまったり、協力出来ないものです。ですがおふたりの姿勢を見ていると、何かお手伝い出来ることは無いのか?と思い、提案させていただきました。
プランナーの気持ちを動かし、身方に付ける流れをおさらいしておくと
1.見積りを見直すときには、こだわりの優先順位を付ける
2.「削るモノ」「手作りするモノ」自分たちも努力する
3.その上でプランナーに相談する
見積りを見直すときには、この3ステップを心がけましょう!
今からでも間に合う!結婚式の見積りを見直す7つの方法
では、今の見積りからドコを見直すべきなのか……。具体的に解説していきます!
尚、アイテム毎に注文内容を変更出来る期限が異なっています。注文内容を変更する場合には、可能か否かをプランナーに相談してみてください。
ペーパーアイテムは全て手作りする
見積りを見直すなら、一番最初にチェックして欲しいペーパーアイテム。多くの式場では、持ち込み料も掛かりません。
1つのアイテム代としては数百円。ですがゲスト人数分ともなると数万円。さらにペーパーアイテムといっても席札や席次用にメニューカードなどアイテム数も多いことから是非ここは手作りをおすすめします!
ペーパーアイテムの手作りは、ペーパーから探して自分でデザインを考えるものから、キッドになっていて比較的簡単に手作り出来るものなど、幅広く展開されています。仕事の忙しさや、他の結婚準備との兼ね合いなどで手作りする時間が限られている場合には、自分のペースに合った手作り方法を選んでくださいね。
挙式料は「キリスト教式>人前式」
「挙式は、牧師さんのいるキリスト教式じゃないとイヤ!」「大聖堂の中、賛美歌が響き渡る厳粛な雰囲気で挙式」といったこだわりはありますか?もしないのであれば、挙式スタイルが見積りの見直しポイント。
挙式料は、基本的にキリスト教式よりも人前式の方が高額になります。キリスト教式には、人前式にはいない「牧師」や「聖歌隊」、また「オルガニスト」などがおり、その分の人件費が掛かっていますので。
一方、人前式は進行が司会者します。そして音楽はチャペル内のスピーカーからお気に入りのBGMを流してみたり、オプションでオルガニストが入る場合もあります。
この差が挙式料の差に。キリスト教式に対して強い憧れが無いのであれば、挙式は人前式にする方が数万円単位でお得になります!
装花は“質”と“アレンジ”を見直してみる
装花は使うお花とアレンジの仕方を見直せば、見積りは抑えることができます。
色を指定して花材は任せる
装花を一番安く、しかも良い状態で購入する方法は、色味だけを指定して花材はお任せします。
例えば、真っ赤なバラだけを50本使って高砂装花を作った場合と、同じ赤でもカーネーションやガーベラなどを混ぜた場合とでは、三分の二程度の料金、もしくはそれ以下で準備出来ることも。
またシーズンに合わせたお花を選ぶことも、安く済ませる方法のひとつ。無理にシーズンオフのお花を指定してしまうと、手に入れることは出来ても高額になってしまったり、あまり良い状態ではない花材だったりということもあるので注意しておきましょう!
アレンジの仕方で金額が変わることも
仕入れたお花をどんなアレンジでテーブルに置くのかも金額を左右するポイント。安く済ませるなら、クラッチタイプにまとめて花瓶に投げ入れるタイプ。オアシスにキレイに型取られたアレンジは、投げ入れタイプに比べて手間が掛かってしまいます。その分の手間賃が加算されてしまい見積りをアップさせる要因のひとつに。
装花の見積りを少しでも抑えるなら、手間のかからないアレンジを意識して選ぶと、予算は抑えることが出来ますよ!
お色直しはアイテムチェンジで大幅減
お色直しの目的は、イメージをチェンジした姿を見て欲しいから……。だとしたらわざわざ衣装を変えなくても、ヘアスタイルを大きく変えて(アップスタイルからダウンスタイルになど)、ブーケもカタチと色や花材を変えればかなりイメージは変えられます。
トレンド調査2017によると、カラードレスの平均価格は21.8万円だそう。でもお色直しするとなると、衣装代に加えヘアメイク代にブーケ代等も必要になり総額30万円相当の見積りアップに!
運命を感じる程のカラードレスとの出会いがあれば話は別です。
ですが、それほど強い思い入れがあるほどのカラードレスとまだ出会えていないのであれば、ココも見積り見直しポイントとして検討してみるのもアリかもしれませんよ。カラードレス代の20万円相当が削減出来るチャンスです!
前撮りは外注する
式場経由で前撮りを頼むと、結婚式当日の衣装で結婚式以外の日にゆっくり撮影出来るというメリットがあります。ですが前撮りに結婚式当日の衣装を希望していないのであれば、式場で注文せずに外注する方がグンと安く済みます。
式場経由で前撮りをお願いすると、写真業者に支払う納品価格に加え、式場取り分となる手数料が加算されてお客様へ提示されています。この手数料分を、外注すると削減出来ることに。
自分でカメラマンを探すのは、探す手間が掛かったり、自分で手配しないといけないなどデメリットがあります。でも好みのセンスに合うカメラマンを探せたり、詳細に打ち合わせに対応してくれたり、そして何と言っても安く済むなどメリットは多めです。
インスタではロケーション撮影も行っているカメラマンさん個人が、様々な写真を投稿されています。カメラマンさんを探すときには、是非チェックしてみてください。
スナップアルバムはアルバムプランを見直す
結婚式の写真は、本番のデータさえ手元にあれば安くアルバムに仕上げる方法があります。インターネットでもデータさえあればアルバムに製本してくれるサイトが沢山あり、値段も式場で頼むよりかなりお得です。
式場側もアルバムを合わせて売りたいという目的から、データだけを販売しているところは少なめ。ですのでアルバムとセットで購入は前提となりますが、データさえ手に入ればボリュームのあるアルバムをわざわざ式場で注文しなくてもOK。
もう一度アルバムプランの一覧表を確認してみてください。アルバムの仕上がり状態ではなく、プランに含まれているデータ数に注意しながら見直してみると、ここも数万円の節約が叶いますから!
映像演出は手作りする
結婚式の定番演出でもある映像演出。相場は式場によって差があり1本あたり5~10万円程度です。ですがこれを手作りすれば1万円前後、もしくは費用を掛けずに済むこともあります!
無料でダウンロード出来る動画ソフトや結婚式の映像作成専用のソフトもあり、普段パソコンを使い慣れていない人でも比較的簡単に手作りすることが出来ますよ
ただ映像を手作りする場合には、注意しておきたいことが2点。
1.仕上がった映像は必ず式場で試写をする。映像の保存方法次第では、稀に機材が読み込まない場合があります。
2・映像演出の持ち込み料は掛からなかったとしても、映像を流すためのプロジェクター使用料が加算されてしまうことがほとんど。
持ち込み料は、持ち込みに柔軟な式場は2~3万円程度。しかし持ち込みを阻止したいのか5~8万円程度のプロジェクター使用料を設定しているところも。
式場側で演出映像を購入するとプロジェクター使用料が含まれているため「結局、頼んだ方が安く済むのでは?」といったことも有り得ます。
映像演出を手作りする前には、必ずプロジェクター使用料を確認しましょう。
まとめ
どんどん膨らむ結婚式の見積りの見直し対策についてご紹介しました。
ご紹介した見直しポイントは、数百円や数千円単位のものもあります。ですが、こうしてアイテムを1つずつ見直してみると、見積りの合計金額がグンと安くなっているはずです。
限られた予算の中で賢く節約をし、ふたりだけではなくご両親とも相談しながら納得の見積りにしてくださいね!