「結婚式の見積もりはすごく上がるらしい」と聞いたことはありませんか?これから結婚式の準備を控えているプレ花嫁の皆さんにとっても気になる話だと思います。
私は以前プランナーとして10年間、結婚式に携わる仕事をしていました。結論…確かに結婚式の見積もりは、ほとんどの人が上がります!しかしそこには、見積もりが上がってしまう理由が……。
今回は、先輩カップルのリアルな見積もりを検証しつつ、元プランナーの筆者が結婚式の見積もりを上げないために出来るコトをご紹介します!
【実例で見る】本当に結婚式の見積もりはドッと上がるのか?
多くの先輩カップルの見積もりは上がっているようです……。
結婚情報誌「ゼクシィ」を発行しているリクルートが、毎年結婚式を挙げたカップルを対象に「結婚トレンド調査」というアンケートを実施しています。
その内容を見てみると、先輩カップルの結婚式にまつわるリアルなお金事情が紹介されているのです。詳しくご紹介しましょう。
先輩カップルは平均110.9万円アップしている!
同データによると2017年に結婚式を挙げたカップルの内、80%が「見積もり金額より、支払い金額が上がった」と答えています。
しかも気になる「上がった金額」の平均は110.9万円!
支払い金額が見積もりより上がってしまった理由を尋ねると、最も多く答えられたのが「料理を追加、またはランクアップしたから」という声でした。次いで「衣装」「写真・ビデオ」と続きます。
元プランナーの経験から、これら3つのアイテムがどうして見積もりを上げてしまうきっかけになるのかを解説します!
みんなの見積もりを跳ね上げさせた3つのアイテム
先輩カップルが見積もりを上げた理由として挙げる「料理」「衣装」「写真・ビデオ」。
確かに私がプランナーをしていたときも、この3つは見積もりを上げる要素になっていたように思います。その理由を詳しく説明しましょう。
少しのランクアップも全員分となれば高額に【料理】
1人のアップ金額は小額なのに、人数分ともなればかなりの負担になるのが料理金額の特徴。1人1,000円の見積もりアップだったとしても、80名の結婚式なら8万円の金額アップに。
しかも見積もりを上げてしまう理由はそれだけではなく、料理やドリンクにはサービス料が加算されます。サービス料の平均は10%。つまり1人1,000円のアップが、結果的には10万円近い見積もりアップになってしまうのです。
とはいえ結婚式に招待されたゲストからすれば、料理は一番楽しみにしているポイント。おもてなしを重視したい新郎新婦も「料理だけは節約できない!」という声をよく伺いました。
「おもてなしをしたい新郎新婦」「料理を楽しみにしているゲスト」双方の意見が確実に合致している料理に関しては、見積もりを上げやすいアイテムになってしまうのは仕方のない話なのかもしれません……。
花嫁の憧れはお金には変えられない?【衣装】
最初の見積もりには必ず入っているのに、見積もりをグンと上げてしまうアイテムとして挙げられている「衣装」。
理由は2つです。
最初の見積もりの価格設定
多くの場合、最初の見積もりに入れられているのは最低価格帯のドレス。
その中から選べなくもないですが「デザインが古い」「そもそもその価格じゃ選べる点数が少ない」といった声がよく聞かれるのが現実。
だから結局のところ、予算アップをして選ぶ幅を広げざるを得ないということになってしまうのです……。
お色直しの追加
最初の見積もりにお色直しが含まれていないことがあります。必ず全員の花嫁がお色直しをするわけではないのが理由です。
しかも衣装は、1着追加するだけで見積もり金額をグンと跳ね上げる特徴が……。
トレンド調査2017によると65%の花嫁がウェディングドレスの後、カラードレスや色打ち掛けにお色直しをしています。
お色直しに掛ける費用の平均は、
・カラードレス 218,000円
・色打ち掛け 252,000円
さらにお色直しするとなると、ヘアメイク代や着付け代、ブーケの追加なども伴います。よって衣装を1点追加するために、総額30万円以上の見積もりアップが予想されます。
それを理解している式場側は、最初の見積もりは出来るだけ下げ「高い!!」の印象を緩和したいという狙いがあることも……。だから“必ずお色直しをするわけではない”から最初の見積もりには入れない流れになるのです。
これら2つの理由が、衣装をきっかけに見積もりを上げる原因になっているのです。
一生残るものだから…【写真・ビデオ】
結婚式に絶対必要ないアイテムではないけれど、同データによると結婚式を挙げたカップルの93%が注文しているスナップアルバム。そして65%のカップルが注文したビデオ撮影。
こちらも衣装のお色直しと同様に、結婚式に必ず必要なものではないアイテムとして最初の見積もりには入っていないことが多くあります。
しかしご紹介した通り、多くのカップルがいずれ注文する傾向にあり、結果的には見積もりを上げる要因に。
それぞれの平均単価も
- スナップ撮影 213,000円
- ビデオ撮影 196,000円
といずれも決してお手頃価格とは言えない金額です。
ですが結婚式当日の思い出を形に残しておけること、また会場によっては「挙式中は、厳粛な雰囲気を保つため写真撮影はゲストも禁止」などの規制が設けられており、スナップアルバムを注文せざるを得ない状況になっていることもあるようです。
結婚式の見積もりが上がるたった3つの理由
結婚式の見積もりが上がりがちなのは、先輩カップルのデータからも、そして元プランナーとしての経験からも間違いのない事実だと断言できます。
では、どうして結婚式の見積もりは上がってしまうのでしょう……。
それはたった3つの理由があるからです。
初期見積もりは「これさえあれば一応結婚式はできる」程度の見積もり
1つ目の理由は、最初の見積もりに計上するアイテム数の少なさです。ざっくり表現してしまうと“この見積もりで一応、結婚式は出来ます”程度の内容です。
しかし多くのカップルがいずれ前述の通り、料理をランクアップしたり、衣装の点数を増やしたり、スナップアルバムを注文したりするため、必然的にお見積もりが上がる傾向に……。
ただ式場の中には「若干悪意があるのでは……。」と思ってしまう程、内容の薄い見積もりを作成しているところも。
「この見積もりをもらったんですけど」と他社の見積もりを見せていただく中で、何度も「これじゃ、結婚式は出来ません」という内容の見積もりを拝見しました。
乾杯用のドリンクが入っていなかったり、引出物の個数が必要以上(通常はゲスト数×7割で計算します)に少なく見積もられていたり……。
いずれも小額です。ですがこれらの積み重ねが、数十万単位になることも。それをわかっているので、見積もりを少なく見せるためそーっと“細工”とも取れる見積もりを作成している会場があるのも事実です。
基本は全てを最低価格で見積もる
2つ目の理由は、最初の見積もりではほとんどのアイテムを最低価格で計上します。
これはやはり「出来るだけ見積もりを安く見せたい……」という式場側のホンネ。そしてお客様がどの程度のランクのものを選ばれるのかが、見通せないという理由もあります。
これから何が必要になるのかは本当にわからない
3つ目の理由は、会場側もお客様がこれから何を必要とされるのかが本当にわからないこと。そのため「必要最小限の見積もり」を「取り敢えず作ってみました」な状態が、最初の見積もりです。
これから結婚式の準備を進めるにあたり、何が必要になるのかが会場側はもちろん新郎新婦にも予測は付きません。
例えば、新婦は「お色直しはしない」と決めていても、ご両親の要望でお色直しをすることになる場合も。また地域によっては引出物や引き菓子など贈答品に高額を掛ける風習もあります。
予定していなかった前撮りをすることになったり……。
と当初は考えも見ないことが、数ヶ月の結婚式準備の中では起こりえるのです。そして見積もりが少しずつ積み重なり、結果として100万円近い高額アップをしてしまう流れに……。
前述の通り、若干悪意を感じるような薄い内容の見積もりを作成する会場もあります。ですがほとんどの会場は、これから何が必要になるのか本当にわからないから最初の見積もりは必要最低限のアイテムだけを盛り込んだ見積もりを作成するのです。
しかし結婚式の見積もりは事前にコツを知っておけば、出来るだけ見積もりを上げない工夫は出来ます。続いて、その方法についてご紹介します。
結婚式の見積もりを出来るだけ上げないために備えること
約8割のカップルが見積もりが上がったと答えている一方、残りの2割は上がっていないという結果にも注目です。
私が担当させていただいたお客様の中にも、稀に結婚式の見積もりがほとんど上がらなかったお客様や上がっても数万円だった方がおられました。
これらのお客様には3つの共通点があります。
最初から「必要になりそうなもの」「欲しいもの」「欲しくなりそうなもの」は盛り込む
結婚式場に見学に来られた時点で「結婚式の見積もりに入れるもの」をかなり予習なさっているお客様は、見積もりが上がらない傾向にありました。
最初のお見積もりを作成する時点で「○○(アイテム)を○個、○○円の予算で見積もって」とリストを作成されている方も。これらを見積もると、ほぼ結婚式準備の最終段階のような見積もりになっています。
つまり最初の見積もりから上がらない傾向のお客様は、必要最低限のものを含んだ見積もりから上がらないのではなく、必要なもの・必要になりそうなもの・欲しいもの・欲しくなりそうなものを全て盛り込んだ見積もりを作成したので見積もりが上がらないのです。
当然、必要最低限の見積もりよりグンと高い金額の見積もりにはなります。ですが最初から「この位結婚式には必要なんだな」と予測が出来た上で結婚式の準備をするのと、全く予測しない状態から100万円アップするのとでは、衝撃度も違いますよね。
インターネットでは、先輩カップルが自分たちの見積もりをSNSで投稿していたり、最終見積もりを紹介しているサイトもあります。先輩カップルがどんなアイテムを購入しているのかをチェックしてみてください。
また平均金額も会場によって違いがあるので、最初の見積もり作成時に「料理はこの会場の平均価格で見積もってください」など一言添えてみるのも見積もりアップを未然に予測する方法の1つですよ。
「重視したいもの」の優先順位は事前に決めておく
結婚式の準備をしていると、金銭感覚が麻痺しがちです。例えば10,000円のお料理。
通常のデートで10,000円のお料理ともなれば、なかなか高額ではないですか?(筆者の個人的な感覚ですが)しかし結婚式ともなれば、10,000円のお料理は多くの会場では最低ランク。もしくは最低ランクが10,000円以上の会場もたくさんあります。
見積もりに並ぶゼロの数を見ていると、金銭感覚が麻痺をしてしまい「5,000円くらいなら、ま、いっか!」となってしまうのです。この積み重ねが数十万円にアップの引き金に。
金銭感覚の麻痺を引き起こさないためには、結婚式の準備を始める段階で重視したいアイテムの優先順位を決めておいてください。
例えば……
- お料理はおもてなしに絶対欠かせないから予算は掛ける
- お花はこだわらないので、決めた予算の中で内容はお任せする
- 写真はアルバムにこだわらないので、最低ランクを頼む。データだけもらえればOK
などですね。
限られた予算の中で、ふたりが納得出来る内容になるよう相談してみてください。
持ち込み出来る・出来ないアイテムを把握する
持ち込みも結婚式の見積もりを上げない有効手段です。結婚式場で扱うアイテムは、業者から結婚式場を通して購入するカタチになるので、中間手数料が発生しています。
つまり自分たちで直接業者を捜し、注文をすればこの手数料分は節約出来るということ。ですが持ち込みは、持ち込み自体がNGの場合や、持ち込み料が発生することも多いので、持ち込みを決める前に確認が必要です。
また持ち込みNGをOKにしたり、持ち込み料をサービスしてもらう交渉は全て契約前がベストタイミング。契約後のサービスや割引はほぼ有り得ません。
この記事を読んでくださっている方で、まだ結婚式場を契約されていない場合には、是非契約をする前に交渉に挑んでください!
まとめ
結婚式の見積もりについて、先輩カップルのリアルな見積もり事情や、見積もりを上げるアイテム、そして見積もりを上げないための工夫についてご紹介しました。
結婚準備は、結婚式の準備だけではありません。新居や家具家電の購入、新婚旅行など正に湯水の如くお金が出て行きます。
だからそれぞれの予算を立てることはとても大切なこと。そして合わせて予算内に抑えておくのも重要です。そのためにも事前に見積もり事情を知った上で、納得の結婚式準備をしてください!